I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

適者生存

では,自然淘汰説を正しく理解するとはどのようなことか。それは,「適者生存」という言葉にあるとおり,生き延びて子孫を残す者を,まさしく適者として理解するということだ。生存するのは,強者(強い者)でも優者(優れた者)でもなく,あくまで適者(適応した者)であると理解するのである。これは言葉を字面通りに理解するというだけのことで,当たり前といえば当たり前の話なのだが,私たちの日常的理解にとっては,必ずしも当たり前のことではない。
 私たちは多くの場合,生き延びて子孫を残すべき存在を,強者とか優者としてイメージしている。強いものが弱いものを食い物にするとか(弱肉強食),優れたものが劣ったものを駆逐する(優勝劣敗)といったイメージだ。でも,こうした弱肉強食や優勝劣敗のイメージは,あくまで人間が自然や野生といった概念にたいして抱く印象や願望の反映にすぎない。私たちがふだん抱いている進化論のイメージは,大部分がこうした印象や願望,あるいは失望を投影したものだ。

吉川浩満 (2014). 理不尽な進化:遺伝子と運のあいだ 朝日出版社 pp.98-99

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