I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

着想を得る瞬間

 2人は何カ月もかけて論文を磨き上げた。ほとんどの学者にとって,研究でいちばん楽しいのは,着想を得る瞬間だ。実際に研究を進めるのも,それと同じくらいおもしろい。だが,論文を書くことを楽しんでいる人はまずいない。学者の書いた論文はたしかに堅苦しい。しかし,多くの学者にとって,それはほめ言葉だ。文才をひけらかそうとするような書き方をすると,真剣に書いたと思ってもらえないし,そんなものを読み手がまともに取り合うはずもない。「プロスペクト理論」はけっして読みやすくはないが,論文の内容はきわめて明瞭でわかりやすい。それは2人が何度も繰り返し原稿を書き直したからであり,エイモスが「正しい方法でやろう」と言い続けたからである。



リチャード・セイラー 遠藤真美(訳) (2016). 行動経済学の逆襲 早川書房 pp.66


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