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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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プラシーボ効果を有効にする要因

 プラシーボの有効性は,プラシーボの性質や患者の性質,およびその他多くの要因にも依存している。たとえば,次にあげるような状況の下で,プラシーボがもっとも有効であることがわかっている。

・思いやりがあり,熱心で,親切で,その治療法を信じている医師
・楽天的で,医師と治療法を信じ,1つの治療法に固執することができる患者
・信頼性があり,患者とその症状に適したプラシーボ
・うつ病,不安,およびとりわけ慢性疼痛のように,軽微で,主観的で,時間とともに変化するような症状

 慢性疼痛の痛みには心理学的な次元が重要であることは,医学の領域では広く知られている。医師が慢性疼痛の患者に「どんなことをしでかして,そんな罰を受けているんですか」と質問したという古いジョークがある。プラシーボ効果の大きさは患者のある種の特性に依存しており,それ以外のものには関係ないようだ。研究によれば,たとえば知能や患者の性格型には依存しないことが示されている。むしろ,プラシーボの有効性は,それが使われる設定と,その人物の個人的,文化的な環境がはるかに大きく依存するように思われる。

ロバート・アーリック 垂水雄二・阪本芳久(訳) (2007). 怪しい科学の見抜きかた:嘘か本当か気になって仕方ない8つの仮説 草思社 Pp.281-282
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