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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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身分と学校の区別

 日本で義務教育といえば,金持の子も貧乏人の子も,同じ小学校に通うことだと理解されやすい。やがては上級学校にすすんで社会の指導者になる人物も,初等教育の段階では,かならず貧しい家の子と机をならべることを強制された。明治時代からそうである。


 ヨーロッパでは,とてもこのようにはいかない。上級学校(大学)にすすむ上層階級の子弟とそうでないものとは,はじめから別扱いであった。日本の高等学校にあたるパブリック・スクール(イギリス),リセ(フランス),ギムナジウム(ドイツ)などが小学校課程をもち,上層階級の子弟はそこに収容された。だから,ヨーロッパの義務教育では,もともと,これらの連中は勘定にはいっていない。義務教育とは,本来,ほっておけば文盲のまま一生を終わりかねない下層階級のために,無償の初等教育機関をつくってやり,そこに就学を強制することであった。



鯖田豊之 (1966). 肉食の思想 中央公論社 pp. 101


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