忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

進化過程の本質は「凍結した偶然」

 ジェームズ・ワトソンとともにDNAの構造を見出したフランシス・クリックはかつて,「凍結した偶然」の発生が進化過程の本質であると指摘した。偶然発生する遺伝的変異はほとんどの場合,生物の生存能や生殖能を奪い,そのため突然変異した系統はたいてい絶滅へと進む。しかし稀に,適応性を上げるような突然変異が発生し,それが定着して集団へ広がっていくこともある。ひとたびこのようなことが起こると,その偶然の出来事はその場で凍結し,その生物種のさらなる進化は必然的に新たな出発点から始まることになる。このように,進化とは累積的なものである。あらゆる凍結した偶然は,過去に凍結した一連の偶然のうえに付け加わり,時間の流れに従って先へ進む曲がりくねった道筋を構築する。この道筋は歴史に深くかかわっており,凍結した偶然はまさに歴史の不確実さを具現化したものである。

マーク・ブキャナン 水谷 淳(訳) (2009). 歴史は「べき乗則」で動く:種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 p.96
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]