忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

映画の売り上げもべき乗則

 映画や自動車や音楽などにおける大ヒットはおそらく,同様の興味の雪崩へと還元できるだろう。1994年,『バラエティー』という業界紙は,1993年の人気の上位100本の映画による劇場総収入をデータにまとめた。これらの映画の収入を人気度の順位に対してグラフに表わしたところ,それが幅広い裾野をもつべき乗則に従うことが分かった。これは,映画のヒットを予測するのがきわめて難しいことを示唆している。1993年の人気第1位の映画は,この年の数あるヒット映画のうちの1本にすぎなかったというのに,第100位の映画の40倍も稼いだのである。なぜだろうか?我々の多くは,映画を見たいかどうかを,見に行く前から,あるいは噂を聞く前から決めてしまっている。我々は,新聞やテレビや口コミなど何らかの方法で態度を決めてしまう。人々が流行に夢中になり,他の人が興味をもっていると聞くと自分も興味をもつようになるというのは,否定しがたいことである。これは合理的な意思決定ではない。人間は互いに非合理的に影響し合うのだ。

マーク・ブキャナン 水谷 淳(訳) (2009). 歴史は「べき乗則」で動く:種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 早川書房 pp.237-238
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]