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読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

帽子と…

帽子とハゲの因果関係は当時さかんに議論されていた。抜け毛を防ぐために,昭和の初年に海軍の初代軍医総監だった高木兼寛は,てっぺんのない帽子を海軍に採用しようとしたという。杉によると,帽子をかぶると禿げるというのは「ルソーの『自然にかえれ』に刺激されておこったもので,『人が自然にさからって帽子をかぶったりするから,ハゲになるのであり,帽子をかぶる人種ほどハゲが多い』といったことから始まった。」(杉靖三郎「ハゲ頭に悪人なし—禿党よ・悲しむなかれ!」文藝春秋29(15),1951年,156頁)。もしこの説が本当なら,自然にかえるという主張自体が,都市化の進んだ近代に特有のものであり,それゆえ,帽子とハゲの因果関係を探ろうという試み自体もまた近代的だということができるだろう。
 その意味では禿は近代の産物なのである。

森正人 (2013). ハゲに悩む:劣等感の社会史 筑摩書房 pp. 56

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