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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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事実と価値

進化生物学では,「進化」とは端的に事実(遺伝的性質の累積的な変化)を指すものであり,それ自体よい意味もわるい意味もない。そもそも,生物の諸個体のあいだに性質のちがいがあり,その性質が子孫の数と相関しており,その性質が次代に伝えられるという三条件がそろった場合には,勝手に遺伝的性質の累積的な変化,つまり進化が生じる。その事実にはよいもわるいもないし,いわゆる「退化」も進化のうちだ。
 でも,私たちの通常の用法において,「進化」はたんに事実を表す言葉ではない。それは必ず,「進歩」「改良」「向上」「発展」「前進」といったプラスの価値を帯びている。

吉川浩満 (2014). 理不尽な進化:遺伝子と運のあいだ 朝日出版社 pp.167
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