I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   
カテゴリー「社会心理学」の記事一覧

写真のアングル

ウェブサイト上に掲載されている男女の写真を分析して,撮影されたアングルを調べた研究もある。この研究によれば,男性の写真は下から,女性の写真は上から撮られたものが多いという。前述したように,下から撮影された写真は,上から撮影された写真よりも,被写体が強いという印象を与える。
 要するに,いまだに,男性は強く支配的で,女性は弱く従属的という旧来の固定観念どおりの描かれ方が一般的だと言えるだろう。男女の役割に関する考え方は確実に変わりつつあるが,無意識にせよ,男性は弱い女性を魅力的と感じ,女性は強い男性を魅力的と感じるという傾向は変わっていないのだ。

タルマ・ローベル 池村千秋(訳) (2015). 赤を身につけるとなぜもてるのか? 文藝春秋 pp.168-169

部屋の明るさ

暗い研究室で悪戦苦闘していたころ,部屋そのものが悪影響を生んでいるとは夢にも思わなかった。最初の暗い部屋は,誰にも邪魔されずに,静かに研究と執筆に没頭できる絶好の隠れ家だった。そういう環境にずっと憧れていたくらいだ。それに,不満があったとしても,下っ端教員の私にはどうしようもなかった。与えられた部屋で研究をする以外になかったのだ。しかし,部屋の暗さが私の暗い精神状態に追い打ちをかけていたことは間違いない。明るい部屋で仕事をしていれば,もっと明るい日々を送れていただろう。いまでも,研究室の暗さと一緒に,当時の重苦しい気持ちをありありと思い出すことができる。

タルマ・ローベル 池村千秋(訳) (2015). 赤を身につけるとなぜもてるのか? 文藝春秋 pp.130

黒と白

この実験結果から見て取れるように,黒と白が呼び起こす連想は,人の判断と評価のみならず,現実の行動にも影響を及ぼす。黒を身につけると,攻撃的な人物と見られやすくなるだけでなく,実際にその人物の攻撃性が強まる可能性もあるのだ。いつかのシャブオットのパーティーの招待客たちは,自分が白い服を着ていることに影響されていたとしても不思議はない。つまり,私が彼らのことを実際以上に親切に感じただけでなく,彼らが実際に親切に振る舞っていたのかもしれない。
 フランクとギロビッチも述べているように,環境の影響は無視できない。攻撃的で競争的な環境では,ことのほか黒い色が攻撃性と競争性を連想させやすい。その意味では,集団への帰属意識と密接に結びついた衣服であるユニフォームとほかの衣服を同列に論じることはできない。しかし,特定の役割を担うための服に袖を通した瞬間に連想が生まれることは,スポーツのユニフォームだろうと,警察や軍隊の制服やフォーマルウェアだろうと変わりない。

タルマ・ローベル 池村千秋(訳) (2015). 赤を身につけるとなぜもてるのか? 文藝春秋 pp.118

赤色効果の交互作用

私たちの実験によれば,赤の効果がとくに大きいのは,ルックスが平均以下や平均以上の女性より,平均レベルの女性だった。この点から考えると,背景の色などの環境上の要因は,ほかの要因の影響が比較的弱い場合に,とりわけ強い影響力を発揮するらしい。非常に魅力的な女性の場合,その女性の魅力とセクシーさに関する男性たちの評価を決定づけるのは,あくまでも圧倒的なルックスのよさだ。写真の背景の色の影響は小さい。

タルマ・ローベル 池村千秋(訳) (2015). 赤を身につけるとなぜもてるのか? 文藝春秋 pp.92

性別の認識と成績

数々の実験によれば,数学のテストの前に解答用紙に性別を記入させ,女性の受験者に自分の性別を再認識させると,成績が悪くなることがわかっている。同様に,アフリカ系アメリカ人に,数学のテスト前にみずからの人種を記させると,成績が悪くなる。「数学が得意でない」という偏見をもたれているグループに属していることを受験者に再認識させるだけで,成績が下がるのだ。この傾向は,本来は数学が非常に得意な人にも見られる。ところが,受験者たち自身は,偏見の影響で自分の足が引っ張られているとはまったく気づいていない。この現象は,「ステレオタイプ脅威」と呼ばれるものだ。これと同じように,赤い色もテストの成績に悪影響を及ぼす。

タルマ・ローベル 池村千秋(訳) (2015). 赤を身につけるとなぜもてるのか? 文藝春秋 pp.74

外集団均質化

リーネル・ジーターは,外集団均質化と呼ばれる,よく知られた心理バイアスの犠牲になったのだ。この心理バイアスは,長年の研究によって明らかになったもので,私たちの大多数は他集団のメンバーの識別よりも,自分が所属する集団のメンバーの識別にずっと長けていることを示す。外集団均質化の根底には,私たちの身に染みついている認知バイアスの多くがそうであるように,機能的な論理(実際的な理由)が存在している。例を挙げれば,一般的に私たちは自集団のメンバーの識別に関してより豊富な経験をもっているし,日常生活で付き合いのある人たちを識別するほうが重要だ。また,他集団のメンバーと付き合うときは,個人レベルよりも集団レベルでの交流が多くなる(アムステルダムのサッカーチームがフィレンツェからナポリに電車で移動するのであれば,各人の区別はできなくとも,イタリア人とオランダ人を区別できれば事足りるだろう)。たとえて言うなら,鳥類学者でもない限り,アメリカコガラとカナダコガラ,そしてシロガオエボシコガラの違いなどわかるはずもないし,たとえ誰かが鳥の名前を教えてくれたとしても,どちらもただのさえずっている鳥にしか見えないのと同じだ。

ダグラス・ケンリック 山形浩生・森本正史(訳) (2014). 野蛮な進化心理学 白揚社 pp. 70-71

フット・イン・ザ・ドアと恋愛

そのほかにゲゲンは,フット・イン・ザ・ドアの方法にキューピッドの力があることも確かめた。彼の実験チームは,通りがかりの若い女性三百人以上に声をかけ,大胆にもいまから飲みに行きませんかと誘った。実験者は2通りの接近方法をした。1つは相手を誘う前に,道を尋ねたりタバコの火を借りたりするなど,口実をつける方法。もう1つはもっとダイレクトに女性に接近し,飲みに行きませんかとずばり切り出す方法である。このちょっとした差が,大きなちがいを生んだ。道を訊ねられた女性の六割が相手の誘いにイエスと答えたのに対し,最初から飲みに行こうと切り出されて誘いに乗った女性は二割のみだった。

リチャード・ワイズマン 木村博江(訳) (2013). その科学があなたを変える 文藝春秋 pp.184-185

競争のメリット

競争で得られる真のメリットは,勝利ではない。それは,パフォーマンスの向上なのである。競争は,最後の一押しの努力を引き出す。競争者は,トップギアのさらに1つ上にあるギアを発見する。さらに,適切な環境下では,この現象は競争に勝たない場合にも起きる。競争は,パフォーマンスの向上を促すのである。
 だが,そこにはトレードオフもある。すなわち,競争は全員にメリットをもたらすわけではない。

ポー・ブロンソン7アシュリー・メリーマン 小島 修(訳) (2014). 競争の科学:賢く戦い,結果を出す 実務教育出版 pp.45

隠れたバイアス

私たちは現代のアメリカに根強く残っている人種バイアスは,表には出てこない底流のようなもので,下記の2種類の隠れたバイアスからなると考えている。2つのうち影響力の小さい方は,バイアス保持者自身にも認識され支持されているが,おそらくポリティカル・コレクトネスや印象操作の圧力の影響で,公的に表現することを本人が意図的に抑制しているものである。2つめの,より影響力が大きいと私たちが考えているものは,その保持者自身すら自分がそれを保持しているという事実に気づいていないため,公に表出されないままでいるというものだ。これらは第3章で説明した通り,IATで測定できるような連合知識という形態のバイアスである。まとめると,マイノリティに対するこれら2種類の隠れたバイアスは,あからさまな偏見という形態よりもずっと,アメリカ社会での差別的行動に大きく貢献するということだ。マイノリティは,アメリカ社会において今後もけっして減少することがない対象であり,この2種類の隠れたバイアスの影響で,今後もずっと人種的,民族的な嫌悪感を表現される対象であり続けるだろう。

M.R.バナージ・A.G.グリーンワルド 北村英哉・小林知博(訳) (2015). 心の中のブラインド・スポット:善良な人々に潜む非意識のバイアス 北大路書房 pp.278-279
(Banaji, M. R., & Greenwald, A. G. (2013). Blindspot: Hidden biases of good people. )

抵抗に出会う

内集団にいることで利益を受け取ることはだいたいにおいて可視化されにくい傾向がある。そして,これがおそらく支配的な多数派の集団が,その利益のことを指摘されるとしばしば本当に気絶するほどの反応をする理由なのだろう。ブラインド・スポットは差別と特権の両方を隠蔽し,差別する側もされる側も,特権を持つ者ももたざる者もそれに気づいていないのである。社会環境を意識的に平等に,公平にしようとする試みはどんなものであってもかなりの驚きをもってそうした抵抗に遭うのだ。

M.R.バナージ・A.G.グリーンワルド 北村英哉・小林知博(訳) (2015). 心の中のブラインド・スポット:善良な人々に潜む非意識のバイアス 北大路書房 pp.221
(Banaji, M. R., & Greenwald, A. G. (2013). Blindspot: Hidden biases of good people. )

集団アイデンティティは真空を嫌う

最小条件集団アイデンティティのダイナミクスについてタジフェルが発見したことを毎年毎年学生に教えながら,驚き続けるのである——タジフェル自身でさえそうらしいが。彼の実験結果からすると,集団アイデンティティは真空を毛嫌いするようだ。人や集団と恣意的な結びつきを作り出し,その結びつきがない他者が存在すると軽く示唆しただけで,「われわれ」と「彼ら」の心理状態が空いている空間を埋めるが如く,急速になだれ込んでくる。線引きがなされ,集団をなす基盤が意味あるものであろうがなかろうが,差別がついてやってくるのだ。

M.R.バナージ・A.G.グリーンワルド 北村英哉・小林知博(訳) (2015). 心の中のブラインド・スポット:善良な人々に潜む非意識のバイアス 北大路書房 pp.211
(Banaji, M. R., & Greenwald, A. G. (2013). Blindspot: Hidden biases of good people. )

2つの知見

しかしその後状況は変わった。この10年で人種IATを用いた研究が急速に蓄積され,2つの重要な知見が明らかになったのだ。まず第一に,アメリカ社会において,自動的な白人への選好は広く浸透していることがわかった。インターネット調査や実験室研究で人種IATを受けた人のおよそ75%が,自動的な白人への選好を示した。これは驚くほど高い数値である。私たち(マーザリンとトニー)は,このような結果になるのが自分たちだけではないことを知った。
 第二に,人種IATで示される自動的な白人への選好は差別的行動と関係があることが実証された。この人種IATは,心からまた誠実に,平等主義的な信念を信じている研究参加者の差別的行動の度合いをも予測したのだ。これは矛盾しているように聞こえるかもしれないが,実証された事実である。自分のことを人種に関して平等主義だと説明した研究参加者でも,人種IATは,信頼性高くまた何度も,研究のなかでの差別的行動を予測したのである。

M.R.バナージ・A.G.グリーンワルド 北村英哉・小林知博(訳) (2015). 心の中のブラインド・スポット:善良な人々に潜む非意識のバイアス 北大路書房 pp.87
(Banaji, M. R., & Greenwald, A. G. (2013). Blindspot: Hidden biases of good people. )

単純な手がかり

プリンストン大学のアレックス・トドロフは,他者の顔の目の位置が顔の中央に近づくと,私たちはその人の有能性を低く判断することを示した。このようなデモンストレーションが示唆することは,私たちが他者について判断をするときに,いかに単純な手がかりに左右されるかということである。このような研究結果を知ると,誰しも,他者について重要な判断を下す際に自分がどのような方法をとっているかについて,一度立ち止まって考えてみる必要があると思うだろう。

M.R.バナージ・A.G.グリーンワルド 北村英哉・小林知博(訳) (2015). 心の中のブラインド・スポット:善良な人々に潜む非意識のバイアス 北大路書房 pp.41-42
(Banaji, M. R., & Greenwald, A. G. (2013). Blindspot: Hidden biases of good people. )

吊り橋へと案内

心理学者のドナルド・Ḡ・ダットンは,日本人研究者が訪れると,必ずカピラノ吊り橋へと案内させられた。この吊り橋はバンクーバーの近くにある観光スポットで,ロープとがたがたする板でできた幅1.5メートル,長さ150メートルの橋の下は,深さ70メートルの渓谷である。しかし日本からの心理学者たちが橋を見たがるのはそのためではなく,ここでダットンとその同僚のアーサー・P・アロンが「恋のややこしい生まれ方」を調べる有名な実験を行ったからなのである。

レト・∪・シュナイダー 石浦章一・宮下悦子(訳) (2015). 狂気の科学:真面目な科学者たちの奇態な実験 東京化学同人 pp.227

急いでいる人

さて結果は驚くべきものだった。ある人が進んで人を助けるかどうかに影響する唯一の要因は,どれほど急いでいるかだったのである。ゆっくり時間がある被験者が助けの手を差し伸べる確率は,急いでいる被験者に比べ,6倍にもなった。人々の個人的な信条はそれほどはっきり結果に影響しなかったが,「助けようとしすぎる人」には独断的な神学生が目立って多いのは確かだった。しかし,最も驚くべき結果はもう一つの問題についてだった。人々が他者を助けるかどうかは,そのときに彼らがあの良きサマリア人のたとえについて考えていたか(それともいなかったか)には,全く何の関係もなかったのである。実際に被験者の何人かは,被害者のそばを平然と通り過ぎていった先で,祭司とレビ人の非人間的なふるまいについて話をしたのだった。

レト・∪・シュナイダー 石浦章一・宮下悦子(訳) (2015). 狂気の科学:真面目な科学者たちの奇態な実験 東京化学同人 pp.204

疑問

そのため,ミルグラムの得た仲介数5.5という数字が正しいかどうかは,今でもはっきりしない。彼はこの実験結果を,ふつうの方法,つまり学術雑誌ではなくて,大衆科学雑誌『現代心理学(Psychology Today)』で発表した。この記事のデータは大ざっぱで,検証可能な確実なものとはいいがたい。たとえばミルグラムは,わずか2人を介してケンブリッジの女性まで手紙が到達したカンサスの農場主の成功例をあげているが,この実験のもっと詳しい情報は,未発表の保存資料の形でしか見当たらない。カンサスの参加者へと依頼した書類入れ60通のうち,ゴールへと届いたのはわずか3通だけで,しかもその例では平均して8人を介していたことが判明している。ミルグラム(1984年に亡くなった)はのちの実験で5.5という数字を出しているが,これらの実験では,社会的ネットワークを広くもつ参加者を意図的に選ぶことが多かった。

レト・∪・シュナイダー 石浦章一・宮下悦子(訳) (2015). 狂気の科学:真面目な科学者たちの奇態な実験 東京化学同人 pp.179

証言実験

講義に参加していた受講生たちは,この拳銃が実はオモチャで,今目の前で繰り広げられた恐ろしい場面はドイツの心理学者ウィリアム・スターンが計画した実験の一部だとは知るはずもなかった。スターンは心理学のあらゆる分野に手を出した器用な学者で,IQの概念を生み出し,発達心理学にも携わり,『証言心理学への貢献(Beiträge zur Psychologie der Aussage)』という雑誌を刊行した。この専門誌では研究者たちが,人は出来事をどの程度正確に思い出せるかという問題の解明に取り組んでいた。
 スターンが,被験者に45秒間絵を見せ,次にたった今見たばかりの絵について説明させる実験を行って気づいたのは,ほとんどの人の記憶が完璧とはほど遠いことだった。多くの人が,実際には絵のなかに存在しない物体を,見たと断言したのだ。記憶の信頼性は,裁判では特に重大な問題になる。そこでスターンはヤラセの口論の実験を提案し,実際の犯罪に非常によく似た状況を目撃させたのである。
 拳銃が発射されると,その場にいた受講者たちはすぐに,口論がまったくの見せかけだったことに気づいた。15人の受講者は「法学部に入って何年目かの学生か見習い弁護士」のどちらかで,その後,目撃したことを書面か口頭で証言させられた。聞き取り調査は,うち3人についてはその夜のうちか翌日に,9人は一週間後に,残る3人は事件から5週間が過ぎた後に初めて行った。事件は15の段階に分けられるが,細かい点をすべて覚えていた人はいなかった。誤答率は27〜80パーセントだった。
 予想どおり,目撃者の多くは事件の際の会話を正確には思い出せなかった。しかし,本当に驚かされたのは,一部の目撃者が実際には起こらなかった出来事をでっち上げてしまったことである。たとえば,実際は何も言わずに見ていた人について,その人が何かを言ったと証言したり,口論した二人は両方とも事件の間ずっとその場を離れなかったのに,一方がもう一方よりも先に逃げ出したと証言したりしたのだ。

レト・∪・シュナイダー 石浦章一・宮下悦子(訳) (2015). 狂気の科学:真面目な科学者たちの奇態な実験 東京化学同人 pp.50-51

手抜き

リンゲルマンの巧みな実験とは,グランジュアン農業大学の学生20人に長さ5メートルの綱を引っ張らせ,綱の反対の端には歪みゲージを取付けておくというものだった。この装置によって,人の怠けたがる傾向が明確な数値で確認された。2人で同時に綱を引いたときには2人とも,その前にそれぞれが1人で綱を引いたときに比べ,平均93パーセントの力しか出さなかった。3人で引いたときにはこの数字は85パーセントに,4人のときには77パーセントに下がった。怠惰の指標となるこの数字はさらにその後も下がり続け,8人の集団になると,1人ひとりは平均すると最大能力の50パーセントしか発揮しなかった。現代の心理学者は,人の本質に潜むこのずるい傾向をリンゲルマン効果とよび,次のように説明している。集団で行う作業では,個人のしたことが全体の成果にそれほど強く影響しないため,個人として最善を尽くそうという意欲が失われる。さらに,個人の貢献が団体の努力のなかでは隠れてしまうため,人をあてにする気分が強まる。

レト・∪・シュナイダー 石浦章一・宮下悦子(訳) (2015). 狂気の科学:真面目な科学者たちの奇態な実験 東京化学同人 pp.28

補いあう

みなさんはいま,促進レンズの人たちと予防レンズの人たちは,はたして互いにうまくやっていけるのだろうかと,思っているのではありませんか?両者が対立する機会などいくらでもありそうですからね。でも幸いなことに,研究の結果は次のようなことを明らかにしています。いわゆる最高のコンビ,つまりもっとも適応性が高く互いの満足度が高いコンビというのは,似ていない者同士だそうです。たとえば,恋人同士でも夫婦でも,違うレンズを通して見ているカップルの方が,促進レンズ同士のカップルや,予防レンズ同士のカップルよりも,満足度が高いのです。研究者たちによれば,混合ペアはさまざまな行動を「分割統治」できるという明らかな利点があり,それが強みなのだそうです。

ハイディ・グラント・ハルヴァーソン 高橋由紀子(訳) (2015). だれもわかってくれない:あなたはなぜ誤解されるのか 早川書房 pp.184

向上

誰でも,今よりいい暮らしを手に入れること,すでにあるものを守ることの両方を同時に望むのですが,ほとんどの場合,重心がどちらかに多少偏っています。仕事や人生における一番大事な目標は,ある人たちにとっては「向上すること」ですが,他の人たちにとっては,「安全であること」です。自分の生きる世界をどう見るか,そこから何を期待するかの違いが,まったく異なったレンズを生み出します。心理学者たちが呼ぶところのプロモーション(促進)フォーカス・レンズと,プリベンション(予防)フォーカス・レンズです。

ハイディ・グラント・ハルヴァーソン 高橋由紀子(訳) (2015). だれもわかってくれない:あなたはなぜ誤解されるのか 早川書房 pp.167

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