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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   
カテゴリー「社会一般」の記事一覧

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想定外だった

 ところが,私たちの悪い癖の一つとして,過去に一度も起きていないことであれば,おそらくこれからも起きないであろうと,潜在的なリスクはとことんスルーしておきながら,いざ起きてしまうと「想定外だった」と後悔することがままあります。
大原 瞠 (2018). 住みたいまちランキングの罠 光文社 pp. 235

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掛け捨て

 生命保険を例に取れば,保険期間中,元気に生活できれば保険料は掛け捨てで終わります。その場合,はじめから保険に入らないでおけば無駄なお金を支払わずに済んだわけですが,それではいざというときの備えになりません。それをいっても仕方がないとみんな割り切っています。
 これと同じ発想を「住まい」に対してしてみたらどうでしょう。家賃を一種の保険料と考えて賃貸生活を送れば,一定のコストの掛け捨てにはなりますが,家を買った後に予想外の事情で負債や追加出費が膨らんだり,回収可能と見込んでいた利益を喪失したりするリスクからは逃れられます。
大原 瞠 (2018). 住みたいまちランキングの罠 光文社 pp. 196-197

隠れ家賃

 マンション広告ではよく「ローン返済は月◯万円から。今の家賃と比べてください」なんていうキャッチコピーが出ていますが,たとえ家賃12万円がローン支払い12万円に変わっても,実はそのほかに,支払っても返ってこない3万〜4万円の「隠れ家賃」が加わるのだとしたら,それでもあなたは家を買いますか?という「不都合な真実」を,不動産会社は積極的には教えてはくれないということを,肝に銘じておく必要があります。
大原 瞠 (2018). 住みたいまちランキングの罠 光文社 pp. 188

精神的満足度

 つまり,「住みたいまち」ナンバーワンである吉祥寺とは,実際の利便性よりも,住むこと自体,あるいはそれを人に自慢できることによる精神的満足度などを加味した,住めたらいいね,住んでいる人がうらやましいね,といった感覚が雪だるま式に膨らみ,独り歩きした結果であって,アンケートで回答した人さえも,本当にそこまで住みたいと思っているから答えたわけではなく,彼らがみな実際に吉祥寺の物件探しをするとは限らないと考えられます。
大原 瞠 (2018). 住みたいまちランキングの罠 光文社 pp. 145

ごみの出し方

 それこそ,20年以上前に当地に住んでいた人と話すと,多くの人が口々に「川崎は昔,日曜日以外は毎日ごみ収集車が来たのでごみ出しが楽だった」と回顧します。しかも,なんと分別なしで。何でも一緒に出せたのだといいます。生活者としてはこれほど楽なことはありません。
 一方,東京都多摩地区出身の人と話すと,街角に置かれた蓋つきダストボックスに生活ごみを捨てられた時代を懐かしがります。これであれば,24時間365日の投棄が可能で,カラスなどの被害からも守られ,当時は利便性と衛生面を両立した画期的な方法とされていました。全盛期には,府中市,日野市,多摩市をはじめ10市以上で導入されていました。
大原 瞠 (2018). 住みたいまちランキングの罠 光文社 pp. 103

どこに使われるか

 実際,最新のベストセラー本が図書館に納入されると,貸出予約待ちが何十人もついて,半年待ちなんてことはザラ。たかが1000円ちょっとの本なのだから,それくらいなら買えばいいのにと思いませんか?
 このように,一冊千数百円の本も買わずにタダで読もうとする一部の人のリクエストにより買われた本が地元の図書館に入っていることを考えると,人によっては,実は図書館が充実しているまちほど,自分が望まないことにお金が投じられているまちだという逆説が成り立つことになります。
大原 瞠 (2018). 住みたいまちランキングの罠 光文社 pp. 100-101

医療費補助

 現在,医療費の自己負担分を市区町村が肩代わりするのは,国の方針と異なる上乗せをしたいという市区町村独自の制度なので,国からの補助がなく,都道府県からの補助を除いた部分は独自の財源からの持ち出しになります。したがって,小児医療助成が充実していればいるほどモラルハザードも広がって,本来,別の目的に使えるはずのお金が医療費に回って,別の施策に取り込む予算が不足するということが起こってしまうのです。
大原 瞠 (2018). 住みたいまちランキングの罠 光文社 pp. 42

認可外保育施設

 まず,一口に認可外保育施設といってもピンキリであるということをみなさんはご存じでしょうか。著者にいわせれば,そもそも「認可外」なんて呼び名をしている時点で,風評被害を起こしかねないひどい差別だなと思っています。だって,正規の許可がない「モグリの施設」であるかのような誤解を招きかねないですから(実際,世の中には「認可外」のことを「無許可」と呼ぶ人もいます)。
大原 瞠 (2018). 住みたいまちランキングの罠 光文社 pp. 21

不当なクレーマー

 不当なクレーマーかどうかを見極める基準として池内は次のようなものを挙げる。
 (1)回数の多さ,および過去の履歴内容から。
 (2)不当な金銭要求(誠意を示せ),過大な物品要求,無理難題などの要求の有無。
 (3)因果関係が明らかか否か(いちゃもんかどうか)。
 (4)不当な方法(恐怖,暴力,脅迫,監禁等)であるか。
 (5)業務妨害(長時間,多頻度)に抵触するか。
 「これらが一つでも該当すればクレーマー」というわけである。
岡本真一郎 (2016). 悪意の心理学 中央公論新社 pp. 165

リスク回避型

 グラント教授は,一般スタッフに対して,イノベーションの機会や権限をきちんと与えていないリーダーが多いとします。イノベーションは,特別な才能を持つ人が行うというのは思い込みであって,実際には,ほとんどの人が,斬新な思考や問題解決という点で相当優秀な力を持っており,組織が「調和の押しつけ」を行っていることが,そうした能力の発揮を妨げているというのです。たしかに,私も,学生の一見突拍子もないアイデアに,あとで感心することが,よくあります。普段,調和を押しつけていることはないと,自分では思っていますが。
 そして教授は,起業家の中でも長期にわたって成功しているのは「リスク回避型」の人々であり,そうでない人々(異才)は,華々しく活躍しても短期で終わるとも述べています。
植村修一 (2018). “社風”の正体 日本経済新聞社 pp. 119-120

不変の企業文化はあるか

 ひとついえるのは,少なくとも企業の成長にとって,時代や環境がいくら変わっても有効であり続ける企業文化は,(ないとはいえないが)あまりなさそうであること,必要に応じ文化も変われることが,長く成長を続ける上で有効でありそうなことです。
植村修一 (2018). “社風”の正体 日本経済新聞社 pp. 51

声が大きい人

 ちなみに,雇用の流動化促進を積極的に唱える論者には,大学教授やエコノミストなど,「その世界」での流動化に対応できる人や,すでに成功している人が多いように思いますが,偏見でしょうか。
植村修一 (2018). “社風”の正体 日本経済新聞社 pp. 21

ルール軽視

 スタートアップ企業は,「ルールを曲げてもいい」と思い込んでいるふしがある。ウーバーやエアビーアンドビーのように,規制に逆らうことでビジネスを構築してきた会社もある。だから,法律がバカなのに,何で従わなくちゃいけないの?というわけだ。スタートアップ企業に言わせれば,「IT企業が近道をするのは,大義のため」なのだ。
ダン・ライオンズ 長澤あかね(訳) (2017). スタートアップ・バブル:愚かな投資家と幼稚な起業家 講談社 pp. 245

日本的では?

 多くのIT企業は社員を粗末に扱っておきながら,忠誠心を求め,雇用主に対してスポーツファンがチームに抱くような愛情を示してほしいと期待している。ハブスポットの社員は,「会社のニーズは,あなたのニーズより大切だ」と聞かされる。「チーム>個人」という表現で,ダーメッシュはそれをカルチャーコードの中で示し,コードには「われわれが愛する会社をつくる」というサブタイトルをつけた。でも,いったい誰が,会社と恋に落ちるというのだ?「私達は家族じゃない」なんて言われながら。
ダン・ライオンズ 長澤あかね(訳) (2017). スタートアップ・バブル:愚かな投資家と幼稚な起業家 講談社 pp. 185

電話営業

 ところが実際は昔ながらのコールセンターを運営し,薄給の若者を大量に雇って,来る日も来る日も何千本もの電話をかけさせている。ハブスポットはこの部屋を内緒にしているわけじゃないが,大っぴらに語るわけでもない。愛すべき,魔法のような,1足す1を3にしてくれる場所——じゃないことはたしかだ。真実を言おう。IT企業の大半が,電話営業もしている。理由は単純,安いからだ。年商400億ドルのソフトウェア企業,オラクルだって,何千人もの大学生を雇ってコールセンターに詰め込みだした。販売コストを下げるために。
ダン・ライオンズ 長澤あかね(訳) (2017). スタートアップ・バブル:愚かな投資家と幼稚な起業家 講談社 pp. 155

幼稚園そっくり

 それにしてもこのオフィスは,うちの子たちが通っていたモンテッソーリ教育の幼稚園に驚くほどよく似ている。明るい原色がふんだんに使われ,たくさんのおもちゃがあって,お昼寝部屋にはハンモックが吊るされ,壁には心安らぐヤシの木が描かれている。オフィスを遊び場のようにするトレンドはグーグルが最初だが,今では感染症のようにIT業界に広がっている。ただ仕事をするだけじゃダメ,仕事は楽しくなくちゃ!
ダン・ライオンズ 長澤あかね(訳) (2017). スタートアップ・バブル:愚かな投資家と幼稚な起業家 講談社 pp. 20

自分か他人を欺く

 結局のところ,私であれ,ほかの誰であれ,あるサイキックを指さして,意図的に相談者を騙していると言うことはできない。本当に他人の心が読めるのでなければ,そんなことは不可能だ。私に言えるのは,サイキック能力などというものが存在しないとすれば,自分はサイキックだと主張する者はみな,自分自身を欺いているか,他人を欺いているかのどちらかでしかない,ということだ。
イアン・ローランド 福岡洋一(訳) (2011). コールド・リーディング:人の心を一瞬でつかむ技術 楽工社 pp. 381

証明など不必要

 [例]「私に会いに来られる方の多くは,何か心に重くのしかかってくるものを抱えています。生活のある面で何らかの答えを求めていて,トンネルを抜けて光を見たいと思っているのです。あなたの場合は,何なのでしょう?」
 これはあまりにも簡単で,コールド・リーディングのプロセスにおいて何かの役に立つとは思えないかもしれない。しかし,必ずしもそうではない。すべてはリーディングの正確と相談者の態度しだいだ。お金を払ってサイキックに相談に来る人の多くは,すでに乗り気になっている。サイキックとリーディングの体系を信頼していて,サイキック能力の「証明」など求めておらず,必要ともしていない。こういう人たちは助けを求めており,手を差し伸べるサイキックが底にいる。話が細部に及ぶのは,早ければ早いほどいいわけだ。
イアン・ローランド 福岡洋一(訳) (2011). コールド・リーディング:人の心を一瞬でつかむ技術 楽工社 pp. 136

普段から

 ついでに書いておくと,多くのコールド・リーダーは,リーディングをしていないときでも「まぐれ当たりを狙う推測」を始終やっている。たとえば,初めて会った誰かと話すとき,相手の星座,親戚の名前,趣味を気軽に当ててみようとする。間違えても別に罪にはならないし,きちんとラポール(信頼関係)を築いていないうちに話したせいだと言い訳できる。一方,もし推測が正しければ,何気なくしゃべって的中したことを宣伝に利用できる。
イアン・ローランド 福岡洋一(訳) (2011). コールド・リーディング:人の心を一瞬でつかむ技術 楽工社 pp. 103-104

成果給がなじまない場合

 もうお気づきのように,「職務給」と「成果給」には向き不向きがある。日本型成果給は,本当に高度な人材には,適合的だといえる。企業の経営に責任を負うべき企業の上層部,真にハイパフォーマンスな社員については,あらかじめ労働市場で処遇を決定したり,仕事の内容をある程度確定するということも難しいだろう。実際に,実力があるのなら,目標設定も「対等」に結ぶことができるかもしれない。


 一方で,ブラック企業の労働者は,いかに店長が社内では「管理職」とされていたとしても,そして「新入社員が全員幹部候補生だ」と言われていたとしても,やはり会社経営者に責任を負えるような役職ではないし,それだけの対価を得ているわけでもない。労働集約型の労働であるために,「無理な命令」をすればするほど企業は儲かる。だから,日本型成果給はまったくなじまないのだ。



今野晴貴 (2015). ブラック企業2:「虐待型管理」の真相 文藝春秋 pp. 273-274


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